GaussianとGRRMの違い

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世の中には数えきれないほどの計算プログラムがあります。その中でもよく使われているのはGaussianです。

Gaussianとは?

1970年に Johb Pople により開発された量子化学計算ソフトです。世の中には数々の量子化学計算ソフトが存在していますが、学術論文でもっとも良く用いられているのは Gaussian  です。他のソフトとの大きな違いは、何と言ってもその計算速度の違いでしょう!

GRRMとは?

東北大学の大野 公一 教授と北海道大学の前田 理 准教授により開発された、「化学反応経路全自動探索プログラム」です。

GRRM では、ポテンシャルエネルギー曲面上の経路探索のみ行ない、エネルギー計算やハーモニクス計算は外部ソフトに行わせます。GAMESS、NWChem などの量子化学計算ソフトとも組み合わせて使うことはできますが、もっとも多い組合わせは、GRRM と Gaussian の組合わせです。

違いとは?

PES上での動き方が異なります。

ここでは、遷移状態構造の最適化(SADDLE)を例にとって説明します。分かりやすく 2 次元の図を用います。local minimum は、下に凸な点です。つまり、ポテンシャル曲面上を動いた時にエネルギーの一次微分の値が負であれば安定化方向、正であれば不安定化の方向に進むことになります。Gaussian では、この方法を用いて local mimum を探索しています。

一方、GRRM では非調和下方歪み追跡法を用います。先ほどは、エネルギーの一次微分の値を用いましたが、この方法では二次微分の値を用います。

 

 

お勧めの使い方は?

計算化学により化学反応の遷移状態等を求めている方の中には、「計算が収束せず、遷移状態が求められない」という経験をした方も多いと思います。こういう場合、種々のパラメータを変更して計算し直すことが一般的だと思います。筆者は、gaussianでうまく行かない場合、GRRMを使うことを勧めています。

gaussianのopt=tsがうまく行かないときは、GRRMのSADDLE。

gaussianのIRCがうまく行かないときは、GRRMのIRC

といった感じです。個人的な印象では、速度ならgaussian、正確性ならGRRMといった感じだと思います。

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