汎関数の選び方

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DFT 計算を行う上で最も重要なのが、汎関数・基底関数の選び方です。この選択次第で結果が逆になってしまったりします。

一般的には、先行研究に従うのが無難です。また、低分子有機化合物の反応なら B3LYP/6-31G* を第一選択にしておけば、そこまで叩かれることはないと思います。

では、新しい系について計算する場合は、どのようにして汎関数を選べばよいのでしょうか?

ベンチマークを参照する

ACS の刊行しているJournal of chemical theories and computation (JCTC) という雑誌に定期的にベンチマークの論文が投稿されています。ベンチマークの論文とは、ある特定の反応に対し複数の汎関数・基底関数の組み合わせで計算を行い、どのような結果になったかというデータベース的な論文です。ベンチマーク論文を読むことにより、それぞれの汎関数の特性を大まかにつかむことが出来ます。例えば、この汎関数は水素移動反応に弱いとか、この汎関数は水素結合などの弱い相互作用を見積もることができない、などです。

実験値と比較

反応遷移状態探索の計算であれば、実際の実験結果と計算結果が一致するかで汎関数を絞り込んでいくことが出来ます。
例えば、室温で進行する反応なのに非常に高い活性化エネルギーが計算結果として得られるとしたら、その汎関数は不適当なのかもしれません。

結晶構造と比較する

また、結晶構造の出ている化合物であれば、計算により構造最適化したものと比べることにより、汎関数の妥当性を確かめられるかもしれません。
気相中の計算結果と結晶構造を比較しても一致するはずないのに、なぜかこの手法は広く用いられています。。。

UV, NMR などのスペクトルと比較

光学活性化合物を扱っているのであれば、UV スペクトルの計算値と実測値を比較し、最も誤差の小さいものを最適な汎関数として選ぶ。

Which functional should I chose?

Which functional should I chose? という本が出版されているので、それを参考にする。

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