QM でのコンフォメーション探索

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QM でのコンフォメーション探索が発表されましたので、紹介したいと思います。

J. Chem. Theory Comput. in press DOI: 10.1021/acs.jctc.6b00439
Hiroko Satoh, Tomohiro Oda, Kumiyo Nakakoji, Takeaki Uno, Hiroaki Tanaka,
Satoru Iwata, and Koichi Ohno

コンフォメーション変化は化合物の性質や反応性などを検討する上で非常に重要です。実験的には NMR や CD スペクトル、振動スペクトル、 X 線結晶構造解析で調べるますが、すべてのコンフォマーを調べることは非常に難しいです。一方、計算化学の分野でもコンフォマーの探索は重要な課題でした。

これまでは、Geometry-based なコンフォメーション探索が研究されてきました。理論上では、分子内のフレキシブルな結合をすべて取り出し、それらを変化させる計算を行えばすべてのコンフォマーが得られます。しかし、現実的には数が多すぎて実行不可能です。そのため、計算コストの低い Monte Carlo(MC) 法や Molecular Dynamics(MD) 法 などを使って膨大な数のコンフォマーを求め、その後 QM 計算により数を減らしていくというのが一般的でした。また、nudged elastic band (NEB) 理論に基づいた探索というものもあります。このような手法を Geometry-based search と PES- or FES-based data analysis と言います。

しかし、 PES-based search と PES-based data analysis の組み合わせは、ほとんどありませんでした。(PES-based な探索に分類できるものとして Low-mode search (LMOD)というものがあります。)

今回紹介する論文では、SHS-ADDF に基づいた PES-based search、PES-based data analysis を行っています。結合長の制御や高いエネルギーを持つ構造などを排除することにより大きな ADD のみを辿っていき、コンフォメーションを見つける手法を採用することにより、大幅に計算コストを下げました。

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