最新版 Gaussian 16 登場!

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Gaussian 社から Gaussian 16 Gauss View 6 の発売が一週間ほど前にアナウンスされました。それに伴い Online Manual のレイアウトが変更されてしまいました(下記の関連リンク参照)。

【速報記事】のため、随時情報を更新していきます。

Gaussian とは?

Gaussian は、John Pople が開発した計算化学用のソフトウェアであり、学術論文等で最もよく利用されているソフトウェアです。

Gaussian は、これまでにも度々アップデートを繰り返してきており Gaussian70, Gaussian76, Gaussian80, Gaussian82, Gaussian86, Gaussian88, Gaussian90, Gaussian 92, Gaussian 92/DFT, Gaussian 94, Gaussian 98, Gaussian 03, Gaussian 09 などがあります。末尾の 2 桁の数字が発表年の西暦の下二桁です。

これまでの最新バージョンは、Gaussian 09 でした。

Gaussian 16 Rev. A.03 の新機能

Gaussian 社の HP には、以下のように書いてあります。パッと見た感じだと、励起状態での構造最適化などの計算にかなり対応したような気がします。励起状態での遷移状態構造探索などは、GRRM の最新版を使って計算するという印象を管理人は持っていましたが、Gaussian もそれに対応してきたような印象を受けました。

GPU 対応ということで、計算速度も向上するようです。しかし、NVIDIA Tesla K40とK80 GPU が必要なようです。また、Gaussian 16 は Pascal 世代の Tesla 製品をまだサポートしていないそうです。

Major New Features;

  • TD frequenceies; TS optimizations & IRC
    励起状態での振動数の計算, TS の構造最適化, IRC 計算
  • EOMCC optimization
    (励起状態構造最適化に関係)
  • Anharmonic Vibrational spectroscopy
  • Vibronic spectroscopy
    VCDおよびROAスペクトルへの非調和振動解析が可能になった(キーワード Freq=Anharmonic)
    振電スペクトルとその強度の計算が可能となった(キーワード Freq=FCHT)
    共鳴ラマンスペクトル計算が可能となった(キーワード Freq=ReadFCHT)
  • Minnesota 汎関数の追加:M08, MN15, MN15L
  • double-hybrid 法の追加:DSDPBEP86, PBE0DH, PBEQIDH
  • 半経験的手法の追加:PM7
  • アダモ・カルロ Adamo Carloにより開発された励起状態電荷移動診断法の導入(キーワード Pop=DCT)
  • EOMCC溶媒和相互作用モデルの導入(キーワード SCRF=PTED)
  • 一般化内部座標の導入

Performance Enhancements;

  • Support for GPUs
  • Optimized memory algorithm to avoid I/O during CCSD iterations
  • Enhancements to GEDIIS opt. algorithm
  • CASSCF: Improvements in CI for ≧ 1ox1o
  • 構造最適化計算で、力の定数を最適化のnステップ毎に計算するように設定可能になった。(キーワード Opt=Recalc)

Challenging Calculations;

  • GFP: reaction path on exited state PES

Gauss View 6 の新機能

Gauss View 6 の新機能の幾つかについて Gaussian 社の YouTube ページ内にまとめられています。

動画の保存もできるようになったそうです。

いつ発売?

現在、Gaussian 社の HP は更新中のページが多く詳細がわかりません。ただ、Gaussian 16 の Workshop は各地で開かれているようです。

“Our new website will roll out over the next few days” と書かれているので、近日中には新情報が入ると思います。

【2017. 1. 19 追記】

日本国内では、HPC Systems さんが Gaussian 16 のライセンス販売を開始したそうです。

お問い合わせは、こちら。

注意点

Gaussian は、バージョンアップするごとに iOP の番号が変わったり、使えなくなるものが出たり、またバグなども報告されています。

例えば、Antechamber の input ファイル変換法[Amber]でも述べたように、g09 だと prep ファイル作成のための電化計算が、g03 と同じ方法ではできませんでした。

また、g09 の IRC 計算もバグがあると言われていました。さらに、バージョンアップとは別に細かいリビジョンも数年ごとに行われているのですが、Gaussian 09 Revision A.01 から Gaussian 09 Revision E.01 まででバグの種類や使える汎関数など少し違っています。論文等で、g09 と g03 を併用している記載があるのも、このような理由のためではないかと言われています。

いきなり最新版の Gaussian 16 に切り替えるのも良いですが、しばらくは Gaussian 09 や 03 と併用するのが良いと思います?

関連リンク

  1. Gaussian 16
  2. Gaussian 16 の workshop (2016/12/3-7)
  3. Gaussian 16 IOps Reference
  4. Gaussian 16 Users Reference
  5. List of Gaussian Keywords

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