Minnesota 汎関数はどれくらい正確なのか?

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ポスト B3LYP として期待され、最近使用頻度の上がってきている Minnesota 汎関数!
特に有機化学の分野では、M06 や M06-2X が使用されることが多くなってきたような気がします。
JACS の editor に Donald G. Truhlar がいるから使用される機会が増えているなんて噂も聞きますが。。。

JCTC には定期的に Minnesota 汎関数のベンチマークが掲載されていますが、それらのベンチマークをまとめた論文が掲載されましたので、以下概要のみ紹介します。

“How Accurate Are the Minnesota Density Functionals for Noncovalent Interactions, Isomerization Energies, Thermochemistry, and Barrier Heights Involving Molecules Composed of Main-Group Elements?”
Narbe Mardirossian and Martin Head-Gordon
J. Chem. Theory. Comput. in press. DOI: 10.1021/acs.jctc.6b00637

2005 年から 2016 年の間に 14 もの Minnesota 汎関数が発表されました(M05, M05-2X, M06, M06-2X, M06-HF, M08-HF, M08-SO, M11, MN12-SX, MN15, M06-L, M11-L, MN12-L, MN15-L)。そして4986 個のデータポイント(84 のデータセット)ものベンチマークも報告されてきました。

数あるハイブリッド型 Minnesota 汎関数(Hybrid Minnesota density functionals)の中でも向き不向きがありますが、結論から言いますと熱力学計算には M06-2X、活性化エネルギーには M08-HX、M08-SO、 MN15、自己相互作用誤差が重要な系では M06-2X、M08-HX、M08-SO、MN15 が良いそうです。

一方で一番の欠点としては、 noncovalent interactions を含む系でのスペクトル計算や異性化反応のエネルギー計算にはあまり適していないということが挙げられます。しかし、その中で一つ勧めるとすれば M06-2X が良いそうです。

また、局所密度近似 Minnesota 汎関数(local Minnesota density functionals)では、熱力学計算には MN15-L、活性化エネルギーには MN12-L、自己相互作用誤差が重要な系では MN15-L、MN12-L が良いそうです。
一方でハイブリッド型と同様の欠点がありますが、その中で一つ勧めるとすれば M06-L が良いそうです。

以上の結果を踏まえますと、ハイブリッド型では M06-2X と MN15 が、局所密度近似型では M06-L と MN15-L が最も良いそうです。しかし、いずれの汎関数にも欠点があるので、系に応じた使い分けが必要です。

(論文本文の内容については、いずれ時間の取れた時にまとめたいと考えております。)

 

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