計算化学は、Gaussian、GAMESS、AMBER、Auto Dock、GRRM、CUDA、vmd、NCIPLOT、GROMACS などなど様々なソフトウェアを駆使して行なうのが一般的だと思います。現在の主流なソフトウェアは親しみやすいインターフェースを持っているので、パソコンの知識が無くても使えます。
しかし、もう一段上のレベルに行くためには、パソコンの知識は必須です!まずは、UNIXコマンドを覚えましょう!そして、プログラミング言語を何か一つ勉強しましょう!(その後は、自分で勉強していけると思います。)
他人よりも早く作業を進めるためには、GUIではなくCUIで作業することが必要です。そのためには、UNIXコマンドの習得は必須です!
また、計算量が増えて来ると解析しきれないほどの計算結果が押し寄せてくるようになります。そのとき、プログラミング言語で、logファイルの必要な部分のみを読み出し、変換、計算してくれるプログラムを作る必要が出てきます。
本記事では、最低限知っておいた方が良い UNIX コマンド bashrc の設定を紹介したいと思います。
最低限知っておいた方が良い UNIX コマンド
cd : フォルダの移動
ls : フォルダ内のファイルを表示
mkdir : フォルダを作る
cp : ファイルを複製する
rm : ファイルを削除する
vi : ファイルを編集する
less : ファイルを見る
ここに挙げたものは本当に最低限なので、実際には更に多くのコマンドを必要とします。
bashrc の設定
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# .bashrc # Source global definitions if [ -f /etc/.bashrc ]; then . /etc/.bashrc fi # User Specific aliases and functions export PATH=/Users/keisan/Applications/bin:$PATH PS1="\u[\w]$" |
つづいて、bash_profileの設定を行います。
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if [ -f ~/.bashrc ] ; then . ~/.bashrc fi source ~/.profile |
プログラミング言語を 2 つ以上学ぶ
計算化学を行っていく上で、ルーティーンワークな作業が必ず出てきます。input ファイルの作成や log ファイルの解析、job を投げる作業などなど。これらを手作業でやっていては、いつまでたっても仕事が終わりません。
このようなルーティーンワークはパソコンにやらせるのが一番です。そこで、パソコンに指示を出すために、プログラミング言語を覚えた方が良いと思います。お勧めとしては、Perl、Python、C/C++、Ruby などだと思います。
何か一つプログラミング言語を知っていれば、二つ目からは学習が楽になります!
生化学系のタンパク質の計算などをやっている人は、Perl、Python で決まりだと思います。
もっと小さな分子を分子軌道法などで計算している人は、上記のものに加えて C/C++ が良いかもしれません。量子化学計算ソフトのソースにも興味がある人は fortran も良いと思います。
パソコンに関する知識を持とう!
計算化学をやっていく上で、コンピューターに詳しくなることは大切です。手っ取り早く詳しくなるには自作 PC をつくってみることが一番です。パソコンがどのようなパーツでできているのか?CPU の性能はどのような単位で表されるのか?メモリの大きさは?ハードディスクは?マザーボード?冷却システム、電源の大きさ、、、などなど、実際に取り組んでみて始めてわかることが多いです。
例えば、スパコンはなぜ早いのか?冷却システムはどうなっているのか?などは、自作 PC を作った人には興味が持ちにくい話かもしれませんが、自作 PC の経験のある方は、興味を持って学ぶことができると思います。
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