Antechamber の input ファイル変換法[Amber]

Amber には、タンパク質を構成する通常のアミノ酸残基の電荷パラメータが含まれています。しかし、アミノ酸残基以外の電荷パラメータは自分で作成しなくてはなりません。
そのため、Amber にてタンパク質とリガンドの共結晶の計算をしたい場合、事前に antechamber で処理する必要があります。

本記事では、その方法について説明します。

g03 を使う場合

まずは、gaussian で ligand の電荷情報を計算する必要があります。
全部で 3 回gaussian で計算を行います。

1.  gaussian でリガンド部分のみ構造最適化計算します。(この段階はスキップしても構わない。)

2. 1 の計算結果をもとに再度 gaussian で計算します。keyword には scrf=(iefpcm, solvent=ether) iop(6/33=2, 6/42=6) pop=esp を指定してください。
1 のchk ファイルから情報を読み込ませると計算が早く終わります。
【注意】IOp6/33 は g09 では廃止されいます。g09 の場合は IOp 6/50=1 を指定します(後述)。

3. 2 の結果のファイルを fixreadinesp.sh というプログラムで変換します。Amber Tools のサイトからダウンロードできます。拡張子 log のファイルを拡張子 com のファイルへと変換します。詳しい説明は、 fixreadinesp.sh の中に書いてあります。

4. 3 で変換したファイルを再度 gaussian で計算します。

5. 4 の結果を再度 fixreadinesp.sh で変換します。この時は、拡張子 log のファイルを拡張子 log のファイルへと変換します。

5.5 うまくいかない場合!
Gaussian の log ファイルで 電荷情報の部分を見てください。もし、数が 9999 以上の場合は、読み込めません。その場合は分子を分割して複数のファイルに分けて計算するしかありません。電荷情報は最後に手動で一つのファイルにまとめます。
ここまでで、antechamber のinput ファイルの準備が終了です。

g09 を使う場合

前述したように IOp6/33 は g09 では廃止されいます。g09 の場合は IOp 6/50=1 を指定します。また、座標の下に一行あけて esp ファイル名を指定します。この esp ファイルを antechamber で変換することにより prep ファイルを作ることができます。個人的には、こちらの方法をお勧めします!

以下に例を示します。

%nprocshared=8
%mem=10000MB
%nosave
%chk=comp-chem_esp_mk.chk
#p B3LYP/6-31G(d,p) scrf=(iefpcm,solvent=ether) iop(6/41=10,6/42=6,6/50=1) pop=mk scf=tight 

Title Card Required

0 1
 C                  5.32554900   -1.66779500   -0.81856900
 O                  4.77168500   -2.20178500   -3.03655500
 C                  4.17555700   -2.27452600   -0.04935000
 C                  2.98892300   -1.31135500    0.03810900
 C                  1.68940800   -2.13416700    0.09491600
(中略)
 H                 -0.18811800   -2.06510900    1.07077800
 H                  1.10926000   -0.91720800    1.72677600
 H                 -0.07726600   -0.66465800   -0.83980200
 H                 -1.51141800    6.09743700   -2.79922800
 O                 -2.77789300    4.01811900   -2.53924500
 H                 -3.01924700    4.76484900   -3.09218600

output.esp



esp ファイルを次のコマンドで prep ファイルに変換します。-nc は電荷の指定、-rn は残基名の指定です。

antechamber -i input.esp -fi gesp -o output.prep -fo prepi -c resp -rn MOL -s 2 -at amber -nc 0

この変換後に atom type を指定しますが、prep への変換時に原子の順番が変わってしまうので面倒です。なので、mol2 ファイルへと変換し atom type を編集した後に、prep ファイルへと変換するのが良いと思います。

antechamber -i input.esp -fi gesp -o output.mol2 -fo mol2 -c resp -rn MOL -s 2 -at amber -nc 0

mol2 ファイルは Gauss View でうまく開けない場合があるので、同時に生成する PDB ファイルを見て原子番号を確かめます。残基の主鎖部分 CA, C, N, O をしっかり指定しましょう。さらに、prep ファイルの中で atom type は小文字で書かれていますが、対応する大文字表記に直しましょう。小文字のままだと frcprm ファイルの中身がほぼ空白になってしまいます。

frcprm ファイルの作成は、以下のように行います。

parmchk -i output.prep -f prepi -o output.frcmod

frcmod ファイルで変換したのちにパラメータがないものがあります。これらは手動で入力しなくてはなりません。まずは、AmberTool のフォルダ内にある gaff のパラメータを探しましょう。それでない場合は論文などで近い値を探してくる必要があります。

frcmod がうまく作れると、tleap もうまくできます。

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