前回の記事では 7960x を用いた自作計算機の組み立ての様子をまとめました。
参考:core i9 7960x 自作計算機【Gaussian】
今回の記事では 7960x の gaussian16 の gaussian16 のベンチマークを測定しました。
使用した機材
CPU: Intel 7core i9-7960x, 16 core, 2.8 GHz
m/o: MSI Gaming AMD Ryzen ThreadRipper Extended-ATX Motherboard (X299)
SSD: SanDisk SSD PLUS 240GB Solid State Drive (SDSSDA-240G-G26)
RAM: Corsair Vengeance LPX 16GB (4x8GB) DDR4 DRAM 3200MHz (CMK16GX4M2B3200C16)
GPU: Radeon x550 2GB
冷却: ARCTIC Liquid Freezer 240
テストセット
以前、threadripper のベンチマークを測定した時と同様に、vomilenine という天然物の構造を Gauss View 上で適当に作り、構造最適化と振動計算を行いました。原子数は 47 で、C,H,N,O で構成されています。実際に計算に用いられる平均的な分子サイズだと思います。
%mem=4GB %nprocshared=4 # opt B3LYP/6-31G(d) Title Card Required 0 1 C 2.77247700 -1.55726100 -0.24944000 C 2.57516800 -0.21391100 0.22236700 C 3.66258100 0.58993400 0.49571100 C 4.95487500 0.05924200 0.30006200 C 5.13835000 -1.24438700 -0.15742400 C 4.04078000 -2.07971400 -0.44110700 H 3.54022600 1.61215000 0.84659000 H 5.82063000 0.68647200 0.50832700 H 6.14732700 -1.63065000 -0.30202500 H 4.18101400 -3.09833800 -0.79798600 N 1.50857200 -2.23308200 -0.46688800 C 1.09205700 0.01376600 0.31548100 C 0.56508400 -1.38330300 -0.16916400 C 0.45169100 0.19038400 1.70181800 H 0.83716900 1.07864500 2.23417400 H 0.61400000 -0.67650100 2.36782500 C -1.02531100 0.35002700 1.28672300 H -1.62528500 0.84001900 2.08048000 C -0.92615500 -1.59776300 -0.23639300 H -1.16616400 -2.69064700 -0.25662300 N -1.59116700 -1.02041200 0.99900700 C 0.45662500 1.13244700 -0.55154600 H 0.50638000 0.83609200 -1.63113300 C -1.01485700 1.18415400 -0.05441000 H -1.34499800 2.22278200 0.13282400 C 1.18183100 2.47371100 -0.45244600 O 1.77040700 2.90633300 -1.41767100 C 1.12488300 3.24417800 0.83431200 H 1.96513800 3.95149200 0.90568700 H 0.20810900 3.84695700 0.89196200 H 1.14807000 2.59412400 1.72379300 C -1.43760100 -0.86406700 -1.51074000 H -2.21770900 -1.45377000 -2.02155200 H -0.63475100 -0.74431500 -2.26051300 C -1.99672600 0.50937600 -1.06002400 H -2.15238600 1.17083500 -1.93738400 C -3.07440500 -0.82309500 0.77399500 H -3.54334800 -0.53697600 1.74827200 O -3.70333500 -2.06174800 0.48837800 H -3.47163400 -2.39796600 -0.40177600 C -3.29369900 0.20245900 -0.33620000 C -4.47635800 0.74125600 -0.64594500 C -4.60024253 1.78394479 -1.77246740 H -4.05885576 2.66655486 -1.50265297 H -4.19662792 1.38069830 -2.67766766 H -5.63131953 2.02904648 -1.91979486 H -5.39456085 0.49863744 -0.15305581
結果
16 コア使用時の計算速度が 4 コア使用時に比べて 3 倍にしかなっていないため、多少改善の余地があると思います。ちなみにメモリは 4 チャンネル全て使用しています。Threadripper や Xeon E5-2667 v2 よりも高速ではありますが、圧倒的な差ではありませんでした。
続いて、同時期に AMD より発売された同コア数の Threadripper との比較をしてみました。opt、freq 共に 1.2 倍程度しか早くなりませんでした。。。
7960x は買いか?
7960x を計算機として使用することは、個人的にはあまりオススメできません。7960x の 6 割と程度の価格で購入することのできる threadripper と比べても計算速度は 20% 程度しか向上していません。また、この計算効率の向上分は、SSE4 と AVX2 の差に相当すると考えられます。
シングルスレッドの計算性能は、これまでの CPU に比べて明らかに向上しているのがわかりましたが、+8 万円を払う価値はないと思いました。
今回の記事では 7960x のベンチマークを測定しましたが、結果的に threadripper のコストパフォーマンスの高さを再確認する結果となってしまいました。。。
関連する記事
- core i9 7960x 自作計算機【Gaussian】
- GTX1080 Ti 2 枚挿し + Threadripper 1950x in Thermaltake core x9
- ニューラルネットワークを利用した粗視化シミュレーション コンフォメーション探索
- Threadripper Gaussian16 ベンチマーク
- Threadripper 自作 PC 組み立て編【AMD】
- IRC 計算がうまくいかない時
- スピン状態依存的な光環化反応の計算
- Threadripper 正式発表【8月発売予定】
- 【Gaussian 16】デスクトップ PC で並列計算する際の注意点【Hyperthreading】
- スパコンランキング発表!日本はGREEN500上位独占!【2017年6月】
- 【AMD_Naples】正式名称はEPYCに決定!クロック数は2.8 GHz【基本スペックなど】
- GPU を用いた並列計算
- 自作 PC をつくってみた!
- Fedora25 に nVIDIA のドライバーをインストール
- 自作 PC を作ってみた!【OS 編】