【スパコン】神威・太湖之光【中国】

スーパーコンピューターの性能比較を行うランキング TOP500 で 2016 年 6 月に世界1位となった中国のスーパーコンピューター神威・太湖之光!

TOP500 を2連覇中(2017年5月現在)にも関わらず、日本のメディアではあまり取り上げられることがありませんので、本記事で簡単に紹介しようと思います。

参考【TOP500】スパコンランキングの見方!【Graph500_Green500】
参考スパコンランキング発表!日本はGREEN500上位独占!【2017年6月】

名前

神威・太湖之光と書いて、読み方は”しんい・たいこのひかり“です。
英語では、Sunway TaihuLight です。

Sunway シリーズのスーパーコンピューターとしては、Sunway-1 (1998年)やSunway BlueLight などの前身機があります。

中国の江蘇省無錫市の国立スーパーコンピューターセンターに設置されています。

(画像は、こちらのページより引用)

基本スペック

コア数約 1065 万個 ( 10,649,600 個)、ノード数 40,960 個、消費電力 15,371 kW。
倍精度浮動小数点演算 93 PFlops、ピーク時 125 PFlops。
メモリ容量 1.31 PB、メモリバンド幅 5591.45 TB/s。1 ノードあたり 260 コア、メモリは 32 GB です。

(画像は、参考文献 3 より抜粋。)

天河 2 号は Intel 社製の CPU: Xeon E5 を大量に使っていましたが、神威・太湖之光で使われている CPU: SW26010 chip は Shanghai High Performance IC Design Center が設計したものです (44 nm プロセスで製造)。シンプルで小さなコアのメニーコア構成であり、複数種類のコアによるヘテロジニアスマルチコア構成である点が特徴です。

参考文献 4 によると SW26010 chip は “PLAYSTATION 3” のCPUである “Cell Broadband Engine(Cell B.E.)” とよく似ているそうです。Cell B.E. が 9 コアなのに対して、SW26010 chip は 260 コアとなっています。4 つの Management Processing Element (MPE) と 4 つの Computing Processing Elements (CPEs, 4 x 64 = 256 コア) から構成されています。キャッシュは L1 命令キャッシュ: 32KB、L1データキャッシュ: 32KB、L2キャッシュ: 256KB。(MB ではなく、KB です。)

基本スペックに関しての詳しい内容は、参考文献 3, 4 を参照してください。

性能

125.4 PFlops という高いピーク演算性能を持ち 2016 年 11 月の TOP500 では2連覇を達成しました。大規模データを扱う Graph500 でも 2 位にランクインしています。また、6051.3 MFlops/W という非常に高い省電力性も兼ね備えており、2016 年 11 月の Green500 では 4 位にランクインしています。

用途

優れたスーパーコンピューターが開発されると、それを用いた大規模計算によりゴードン・ベル賞を狙うのが一般的です。神威・太湖之光を用いたアプリケーションでは 3 件のアプリケーションが 2016 年のゴードン・ベル賞の最終候補に選ばれました。

溶解金属の温度降下による結晶成長のシミュレーション、海面の波のシミュレーション、気象シミュレーションの 3 つ(詳しくは、参考文献 2 を参照)。

そして、気象シミュレーションのアプリケーションにより 2016 年のゴードン・ベル賞を獲得した。

関連動画

参考文献

  1. COOL Chips 20 – 基調講演で語られた世界一のスパコン「太湖之光」
  2. SC16 – Gordon Bell賞は中国チームが獲得
  3. Report on the Sunway TaihuLight System (pdf)
  4. 世界最速スパコン中国「神威太湖之光」のCPU「SW26010」の概要
  5. Intelビビってる 世界最速スパコン神威太湖之光

関連する記事

コメントを残す(投稿者名のみ必須)