【スパコン】天河二号【中国】

(トップ画像は、こちらのページより転載。)

天河二号、英名は Tianhe-2 (TH-2)、Milkyway-2 という名称も用いられている。Tianhe は天河の発音をそのまま用いたものであり、Milkyway は天河の意味からつけられたものである。
中国国防科学技術大学(NUDT: National University of Defense Technology)のスーパーコンピューター。

2013 年 6 月から 2015 年 11 月までスパコンランキングの TOP500 で 六連覇を達成した。その後は同じく中国の神威・太湖之光が一位となり、天河二号は 4 期連続 2 位となっている。
現在、後継機 Tianhe-2A の開発が進められている(2017 年 11 月完了予定、参考文献 1)。

参考【TOP500】スパコンランキングの見方!【Graph500_Green500】
参考【スパコン】神威・太湖之光【中国】

スペック

CPU: Intel Xeon E5-2692v2 12core と Xeon Phi (計312 万コア)
メモリ: 1,024 TB
性能: 33.86 PFLOPS
消費電力: 17.8 MW
Interconnect: TH Express-2 (参考文献 4)
OS: Kylin Linux
Compiler: icc
Meth Library: Intel MKL-11.0.0
MPI: MPICH2 with a customized GLEX channel
size: 720

16,000 ノードで構築されており、1 ノードあたり 2 つ Xeon E5-2692v2 と 3 つの Xeon Phi で構成されている。メモリは 1 ノードあたり 88 GBであり、64 GB がXeon E5-2692v2 に割り当てられており、残りの 24 GB (8GB x 3) が 3 つの Xeon Phi に割り当てられている。大量に Intel の CPU を使用し、かつ核爆発関連の研究にも使用されていたため、米商務省は Intel および NVIDIA に対し、中国の該当組織へのプロセッサ輸出を禁止する命令を出した(参考文献 6)。そのため、Tianhe-2 の後に TOP500 で 1 位を獲得した神威・太湖之光は、中国で生産されたオリジナルの CPU が用いられている。

ちなみに、2012 年まで稼働していた前身機の Tianhe-1A は、Xeon X5670 6C (計 13,312 コア)で 211.7 TFLOPS の性能だった。後継機の Tianhe-2A は天河二号の 2 倍の性能になると予想されている(参考文献 1)。実際の性能は 2018 年 6 月の TOP500 で明らかになると思われます。

用途

天河一号は、漫画アニメ産業やネットバンキング、ビッグデータ解析などで使われているそうで、約 1600 社の会社にサービスを提供しているそうです(参考文献 8)。

TOP500 では一位になりましたが、実用性ではアメリカや日本のスパコンに劣ると Chi Xuebin 副局長が 2014 年にコメントしていましたが(参考文献 7)、きちんと利用されています。また、天河二号は温暖な気候の中国南部にあるため、中国北部に建造した場合と比べ電力消費が 10% 程度高いそうです。

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参考文献

  1. 中国スパコンの性能が2倍に、垣間見えるしたたかな戦略
  2. TIANHE-2 (MILKYWAY-2) (TOP500)
  3. Tianhe-2 スペック(pdf)
  4. High Performance Interconnect Network for Tianhe System
  5. MilkyWay-2 supercomputer: system and application
  6. 中国製スパコンの核研究利用が判明、米国がチップ輸出を禁止 (CNN)
  7. China’s world-beating supercomputer fails to impress some potential clients
  8. 国産スパコン「天河1号」のユーザーが1600社に
  9. 中国のAI犯罪者追跡システム「天網」に物議…2000万台の監視カメラとDBが連動
  10. スパコン天河2号、計算速度で3連覇を達成

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