2020年6月のスパコンのランキングが発表され、理研の富岳が世界一位でした!(ランキングは半年に一度発表されます。)
今回は、単純計算性能を測る Top500, 探査性能ベースの Graph500, より実用的な処理能力を競う HPCG, 人工知能の性能を測る新指標である HPL-AI の 4 部門で一位だったようです。
参考: 【TOP500】スパコンランキングの見方!【Graph500_Green500】
今回の top500
富士通と理研が共同開発した 「富岳」が 2 位のSummit(米国)に大差をつけて1位を獲得しました。
また、2 位から 5 位は、前回のトップ 4 がそのままランクダウンしただけでした。
6 位に入ったイタリアの HPC5 は、今回初登場です。GPU メインのスパコンで、Green500 でも 6 位に入っています。
第 7 位に入った米国の selene も初登場です。こちらは、Nvidia 社のスパコンということで、GPU メインなのですが、個人的には AMD の EPYC 「Rome」が使われているところに注目です!
14 nm プロセスの次のプロセス開発に失敗続けているインテルは、デスクトップ CPU では、7nm プロセスの実用化に精巧化した AMD に逆転されてしまいました。
今後は、スパコンに使われる サーバー用 CPU でも AMD の EPYC 搭載機が増えてくるものと思われます。
今回の Green500
TOP500 で 1 位だった富岳ですが、省エネを競う Green500 では 9 位でした。
近年は、GPU をメインに積んだスパコンが Green500 の上位を占めるので、だいぶ検討したと言っても良いでしょう。
第 1 位は、日本の株式会社 Preferred Networks 社の MN-3 というスパコンでした。やはり、GPU メインの深層学習に特化したマシンだそうです。
ちなみにGreen500 のトップ 10 に日本のスパコンが 4 機、米国のスパコンが 4 機ランクインしました。残り 2 機はイタリアでした(意外!)。
今回に限った話ではありませんが、中国のスパコンは top500 ではそこそこの成績を残しますが、green500 ではあまり上位にこない印象です。
雑感
今回、理研の「富岳」が1位を取ったことは喜ばしいことですが、依然として Top500 の上位に占める日本のスパコンが少ないのは変わっていないと思いました。
一方で、数年前からずっと日本のスパコンは Green500 で結果を出し続けているように思います。
世の中のニーズが深層学習や人工知能にシフトしていることですし、Green500 で上位を取る方が、Top500 で上位を取るよりも現実に即している気はします。
また、米国はやはり安定して強い印象を受けます。一方で、中国は天河二号の次のスパコンの登場が遅れている印象を受けています。