前回の記事では、先日作った自作 PC にCUDA ToolKit 8.0 をインストールしました。その後、Gaussian16、Gauss View6、Amber16、pymol、Gromacs、Autodock など様々なソフトをインストールし、現在作業環境を整えているところです。
今回作成した自作 PC はサクサクとストレスなく作業を行えるようにと思って作成したものです。
通常の作業では差を感じにくいのですが、重たいグラフィクスなどの処理では全く違いました。今回は Gauss View 6 を動かした時の感想について述べたいと思います。
これまでの作業環境
ここ数ヶ月の間、管理人は Macbook Pro (Early 2015、CPU: 2.9 GHz Intel Core i5-5250U、メモリ 16 GB 1867 MHz DDR3) で作業していました。ちなみに、Gauss View 5 を使っていました。
比較的低分子のリガンドなどを表示させる分には全く問題ありませんでした。しかし、ONIOM 計算の input を作る際などにタンパク質を表示させると、作業中にフリーズするということがしばしばありました。特に、View > Label で原子番号を表示させると高確率で固まっていました。
自作 PC にして良かったこと
自作 PC では、タンパク質を表示させても困らないように、グラフィックボード: GTX-1060 6GB、CPU: Intel Kaby Lake Core i7-7700、メモリ: 32 GB 2400 MHz DDR4 を搭載しました。その結果、タンパク質を表示させても全くフリーズしなくなりました。
View > Label で原子番号を表示させても、全く問題なくサクサク動いています。
また、画像編集作業は自作 PC の方が圧倒的に軽いです!
しかし、一度に複数のファクターを変えたために、作業環境が向上した一番の要因がわかりません。。。Gauss View のバージョンも違いますし、OS も違う。。。でも、自作 PC を作って正解でした!!!
今後、さらに良い作業環境を目指してメモリは 64 GB に増やし、グラフィックボードは GTX-1080 Ti を追加する予定です。
もし、Gauss View が重くて困っている方がいましたら、グラフィックボードを追加したり、CPU を変えてみてはいかがでしょうか?
Gauss View 6 について
軽く使ってみた感じでは、大きな変更はないように思います。
細かい点で個人的に嬉しかったのは、IRC/Path に Make Default ボタンがついたことです。これまでは、IRC/Path を開くたびに右クリックで Hartree から kcal/mol に変更していましたが、Gaussian 6 では kcal/mol や他の細かい設定もデフォルトにできます。x 軸 y 軸の軸ラベルも変更できます。
また、Results のタブのメニューが増えたことが一番の大きな変更だと思いました。ORD、Vibronic、Energy Plot、Ampac などが追加されました。さらに、Bond Properties で結合長の色による視認性が上がりました。
Calculate タブにも GMMX Confomer Dialog や Ampac calculation… などが追加されました。
また Builder というタブも追加されましたが、これはあまり必要ないかもしれません。。。元々のインターフェースについているし、わざわざタブ開いて選択する人はいないと思う。。。
その他は、あまり変更がないようです。
libGLU.so.1 のエラー
Gauss View 6 の path を正しく設定しても以下のエラーにより起動できない場合があります。
erro while shared libraries: libGLU.so.1: cannot open shared object file: No such file or directory
このような場合には、パッケージマネージャーからインストールすることにより解決します。
Fedora では dnf で以下のコマンドで解決します。
dnf install libGLU
この時のポイントとしては、lib は小文字、GLU は大文字です。