(トップ画像は、こちらのページより転載。)
ピッツ・ダイント(Piz Daint) は、スイス国立スーパーコンピューティング・センター(CSCS) にあるスーパーコンピューターです。スーパーコンピューターのランキングである TOP500 では、現在第 3 位です。
TOP500 で初めて top10 入りしたのは 2013 年 11 月のランキングからで、その時は第 6 位でした。2016 年に大幅なアップデートが行われ 2 倍以上の性能となり、2017 年 6 月のランキングから第 3 位に順位を上げました。また、省電力性を競う Green500 でも第 10 位にランクインしています。
参考:【TOP500】スパコンランキングの見方!【Graph500_Green500】
スイスアルプス山脈にあるピッツ・ダイント(Piz Daint) という 2968m の山にちなんで名付けられました。Piz Daint はロマンシュ語で内側の頂 (inner peak) を意味します。外側の頂を意味する Piz Dora というスーパーコンピューターも存在しましたが、2016 年の Piz Daint アップグレード時に統合されました。
スペック
Piz Daint は元々、2012 年に建造された時点では Cray の “XC30” システムでした。2013 年に拡張されて Cray “XC40” が Piz Dora として作られました。そして、2016 年のアップグレード時に Piz Daint と Piz Dora は統合され、”XC50/XC40″ システムとなりました。
以下に 2017 年時点では、XC50 が 5320 ノード、XC40 が 1431 ノードで構成されており、ストレージ領域は 6.2 PB です。25.326 PFLOPS の性能で、消費電力は 2.272 MW です。
XC50 の各ノードには、Intel Xeon E5-2690 v3 (12 cores) とRAM 64GB と NVIDIA Tesla P100 16GB が搭載されています。
XC40 の各ノードには、二枚の Intel Xeon E5-2695 v4 (2 x 18 cores) と RAM 128 GB が搭載されています。
ログインノードには、Intel Xeon E5-2650 v3 (10 cores) と RAM 256 GB が搭載されています。
Interconnect Configuration は、Aries routing and communications ASIC, and Dragonfly network topology です。
ちなみに、開発を担当した Cray はアメリカの会社。Piz Daint のアップグレードは 2016 年に行われましたが、2017 年発売のSkylake 世代の新型プロセッサにも対応するように作られているようです。また、ストレージは SSD に対応しているそうです(参考文献 4)。
用途
世界最大の粒子加速器であるCERNの大型ハドロン衝突器のデータ分析に使用されています。また、宇宙論、材料科学、地震学や気候学などさまざまな領域でのシミュレーションも行なわれています。ヒューマン・ブレイン・プロジェクトの高性能分析と計算プラットフォームでの研究にも使われています。このプロジェクトのゴールは、脳と同様の計算処理および認知のアーキテクチャの原理を使用する神経形態学的計算処理システムを構築することだそうです(参考文献 3)。
設置の様子
Piz Daint の組み立て動画が公開されています。なんか楽しそうですね!自分も一回でいいからスパコンの組み立てとかやってみたいです。
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参考文献
- ヨーロッパの最高速スーパーコンピュータがPascal GPUにアップグレード
- PIZ DAINT & PIZ DORA
- NVIDIA Pascal GPU、欧州最速スーパーコンピュータの速度を2倍に
- Crayの新型スパコン、演算性能は最大500ペタフロップス
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