When you’re hot, you’re hot. という諺が指すように、現在 AI 分野が非常に熱いです。本日、アメリカ国立科学財団(NSF)は、AI の研究を牽引する新たなプログラムである “The National Artificial Intelligence Research Institutes program” を発表しました。さらに、AI 研究を推進し、大学、連邦機関、企業、非営利団体の連携を促すために、最大 6 つの研究機関に約 1 億 2,000 万ドル(約 129 億円)を来年の助成金として投資する計画も発表しました。
政府が AI を変革の機会と見なしていることは明らかです。先週、DOE は AI に関しての共同研究と DOE から産業界への技術移転を推進することを目的とした AI サミットを開催しました。 また先月、米国の 2020 年度予算の修正案で、AI に対する 10 億ドル(約 1072 億円)の非防衛支出が求められました。さらに2 月には、トランプ大統領の AI に関する大統領令によって、AI をより発展させるためのフレームワークの構築と、連邦政府機関に各 AI プロジェクトの優先順位付けと予算の構築を開始するよう求めました。
今回の NSF の発表は、これらの取り組みの初期の成果かもしれません。

NSF の Director である France Córdova 氏は「AI は急速に進歩しており、私たちの生活を変える可能性を示しています」と公式発表で述べました。 「今回の画期的な投資により、AI の研究と労働力の開発が促進され、変革技術の開発を加速し、将来の市場を活性化することができます」とも述べました。
新しいプログラムは、国立食品農業研究所 (NIFA)、米国国土安全保障省 (DHS) の科学技術局、米国運輸省の連邦高速道路局、米国退役軍人局 (VA) と協力して NSF が主導しています。
今回のプロジェクトには、planning track と institute track の両方が含まれています。Planning track では、研究チームの研究所全体での研究遂行と共同研究の補助を行うために、最大 2 年間 50 万ドルの計画助成金をサポートします。Institute trackでは、下に示す優先度の高い領域での AI 研究所の設立に、4〜5年間(年間最大 400 万ドル) 1,600 万ドルから 2,000 万ドル助成します。
- 信頼できるAI
- 機械学習の基礎
- 農業および食品システムにおける AI 主導のイノベーション
- AI 拡張学習
- 分子合成と製造を加速する AI
- 物理学の発見のための AI
AI Research Institutes プログラムは従来の研究助成金とは異なり、より大規模でより長い期間の研究課題に関する学際的、複数の利害関係者を巻き込んだ AI 研究の進歩をサポートすると、NSF は言っています。
「これらの研究所は、AI による多くの技術革新の経済部門への移行を加速すると同時に、次世代の AI 研究者および実務者を育成します」と、NSF Acting Assistant Director である Erwin Gianchandani は言います。 「AI の研究と人材開発へのこの長期的で実質的で目に見える形での投資は、AI の可能性を実現し、米国のグローバルリーダーシップの維持も可能にするでしょう」とも述べました。
今年の初め、NSF は他の連邦政府機関と協力して、2019 Update to the National Artificial Intelligence(AI)Research and Development(R&D)Strategic Plan を発表しました。National Ai Research Institutes program の締め切りは、2020 年 1 月です。
プレスリリースへのリンク:https://www.nsf.gov/news/news_summ.jsp?cntn_id=299329&org=NSF&from=news