【2019 年 11 月発表の最新のランキングは、こちらの記事を参照してください。】
2019 年 6 月のスパコンランキング TOP500 と GREEN500 が発表されました。
今回は、とりわけニュースにするような大きな変動はありませんでした。CPU も GPU も新しいプロセスルールのものが出始めましたので、次回以降またすごいスパコンが出てくることを期待します。
今回、スパコンの単純な計算性能を競う TOP500 では、前回と同じくアメリカのスパコン Summit と Sierra が1位と 2 位、中国のスパコン 神威・太湖之光 と天河 2 号A が 3, 4 位でした。
一方で、日本勢の最高位は産総研の AI Bridging Cloud Infrastructure (ABCI) の 8 位であり、前回から 1 つ順位を落としてしまいました。
参考: 【TOP500】スパコンランキングの見方!【Graph500_Green500】
以前から噂となっている中国の新しいスパコン天河3号は今回も登場しませんでした。完成すれば、また中国が首位になるかもしれません。
今回は、トップ 10 のスパコンに若干の変動がありました。5 位にアメリカの Frontera、10 位にアメリカの Lassen という新しいスパコンがランクインしました(Lassen は 2018 年 11 月が初登場で 11 位)。
上位 20 台の内 9 台がアメリカのスパコンでした。
また、Top500 全体では、中国のスパコンが 219 台、アメリカのスパコンが 116 台ランクインしています。
米中の勢いと日本の衰退を感じる結果でした。
Green500
省電力性能を競う Green500 では、前回に引き続き理研の菖蒲が 1 位を獲得しました。
先日理研の「京」の後続機である「富岳」の発表の時に、単純な計算性能を競う TOP500 ではなく省電力性を追求していくとの話がありました。
PEZY computing が社長の逮捕によって以前の勢いを失ってしまった現在、「富岳」に対する期待は非常に大きいです。
参考:「京」の後継機は「富岳」【理研スーパーコンピューター】
HPCG
Top500 よりも複雑な計算を行う HPCG のランキングでは、前回同様 アメリカの Summit と Sierra が 1, 2 位でした。
日本は理研の京が第3位に、産総研の AI Bridging Cloud Infrastructure (ABCI) が第5位に入りました。
今回のHPCG には前回と比べて大きな順位変動はありませんでしたが、またこの分野で日本が巻き返してくれることを期待しています!