米国で開催中のハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)に関する国際会議である「SC19」にて、最新のスパコンランキングが発表されました(2019 年 11 月)。
日本のスパコンが Green500 の 1, 2位を取りました!
参考: 【TOP500】スパコンランキングの見方!【Graph500_Green500】
Green500 は戦国時代?
Top500 の上位 10 位に変動がなかった一方で、Green500 の上位は大きく入れ替わりました!
理化学研究所の「京」の後継として期待されている「富岳」のプロトタイプがランキングに初登場し、Green500 で1位を獲得しました!
また、PEZY Computing のスパコン「NA-1」もGreen500で1位になりました。
PEZY Computing は 2017 年の社長の逮捕で終わったと思いましたが、現在でもランキング上位に来るスパコンの開発を継続できているようで、とても嬉しく思います。
ちなみに、Top500 では「富岳」のプロトタイプは 159 位、「NA-1」は 420 位でした。
その他、3位の AiMOS、4位の Satori も初登場でした。
変動の少ない Top500 や HPCG とは対照的に、Green500 のランキングは毎回大きく変動しています。まさに戦国時代といったところではないでしょうか。
悟り?
「Satori」は MIT に設置されているスーパーコンピューターです。Top500 で現在1位となっている summit をモデルに、IBM が 1 億 1600 万ドル(約 125 億円)の費用をかけて開発しました。
Top500 では 373 位ですが、Green500 で4位、HPCG で 63 位とだいぶ効率が良さそうな印象を受けました。
名前ですが、「禅宗」から来ているそうです(参考文献 5)。
HPCG は大きな変動は無し
HPCG の上位も Top500 と同じく前回と比べて大きな変動はありませんでした。
強いて言うならば、理研の「京」がランキングから外れたくらいでしょうか。
「京」の後継機の「富岳」は今回はランキングに掲載されていませんでしたが、元々「京」は HPCG で良い成果を納めていたため、「富岳」も次回以降ランキングに入ってくると思われます。
プロトタイプではなくなった「富岳」がどれほどの性能を示すのか、7nm アーキテクチャーの CPU を使用したスパコンが登場してくるのか、など次回のランキングにも期待です!