Cray、AMD 搭載スーパーコンピュータの販売に戻る

Cray は AMD EPYC プロセッサーを搭載した CS500 クラスターを Haas F1 チームに納品したと発表しました。同チームはこのシステムを使用して F1 マシンの空力シミュレーションを行うようです。

TOP500 の NEWS 欄には、毎週スーパーコンピューターに関する最新情報が報告されています。残念ながら、日本のメディアではほとんど報道されません。
本ウェブサイトでは、それらのニュースを定期的に日本語で紹介していきます。

今回紹介する記事は、
Cray Is Back to Selling AMD-Powered Supercomputers
October 17, 2018

概要

Haas F1 チームの最高情報責任者(CIO)ゲイリー・フーテ(Gary Foote)は、次のように述べています。「我々は、毎年世界で最も技術的に高度なレーシング・シリーズで最速で効率的なレースカーを構築することを求められています。 Cray と提携し、HPC ソリューションを利用することは大変素晴らしいことです。新しいシステムの倍精度コンピューティングは、流体力学計算(CFD) やデータ解析を効率化するのに役立つと思います。」

もちろん、倍精度の能力が唯一の要因だったならば、Haas チームは Intel Xeon チップを搭載するべきでしょう。一般的に浮動小数点性能の計算性能では Intel Xeon が EPYC プロセッサを上回るからです。実際には、Formula 1 のスポーツ規制では、wind tunneling シミュレーションで使用される CFD の性能が 25 teraflops に制限されているため、最も優れた価格性能のコンピューティングシステムを採用することが重要となります。

さらに、EPYC チップは多くのメモリ帯域幅を必要とする CFD コードに対して特に相性が良いと言われています。 4 月に Cray が AMD のオプションを CS500 ラインに追加したと発表した際に行われたテストでは、EPYC のマシンが Xeon よりもはるかに高速に CFD ソフトウェアを実行できることが示されていました。これは主に、最新の Xeon “Skylake” CPU では 6 個のメモリチャネルが使用可能なのに対して、EPYC チップでは 8 個ものメモリチャネルが搭載されているためと考えられています。

他の Formula One の設定と同様に、Haas F1 チームはこのシステムを使って wind tunneling シミュレーションを実行することで、車体周りの気流パターンを調べることができます。エンジニアはより良い空力特性を得るために設計を最適化できます。フォーミュラワンのビジネスでは、優勝するレースカーを構築するためには、ドラッグが少なく、ダウンフォースが強い車体をデザインすることが重要です。

フォーミュラ・ワンのエンジニアは、レースカーの設計を支援するために HPC クラスタを使用していますが、チーム間の競争が激しいため、システムに関する情報を公開することはほとんどありません。新しい Cray システムも例外ではありません。実際、スーパーコンピュータメーカー (Cray) は、AMD のEPYC 7000 プロセッサを使用し、Cray ClusterStor L300 ストレージシステムと組み合わせたという以外に Haas F1 クラスタの詳細をあまり提供していません。

このシステムは、2019 年のレースシーズンに向けて、2018 年 12 月に納品予定です。

雑感

Ryzen シリーズが出てから AMD が好調のようですよね。管理人も第一世代の Threadripper 1950x を使って量子化学計算を行なっています。

参考:Threadripper 並列化効率改善?【gaussian16】

今年、12 nm プロセスの Threadripper 2 が出ましたけど、計算化学.com では購入を見送りました。それは、次年度の 7nm プロセスの EPYC シリーズに期待しているからです。

Intel が 10 nm プロセスでつまずいている間に AMD は着実に進歩している感じです。今後も AMD の躍進に注目です。

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